チャレンジできる経理職になるメリットとは?

前回の記事で、経理職として、いつでもチャレンジできるくらいのスキルを身に付けると良いという話をしました。今回は、チャレンジできる経理職になることのメリットについて考えてみましょう。

不正に対する予防策を思いつくようになる。

チャレンジできる経理職になるためには、日々の仕事を通じて、さまざまな可能性について考えながら仕事をすることになります。そうすると、不思議と、不正を働く手段について、よく思いつくようになります。客先からの入金を本来とは違うもので消し込んでみたりとか、ブローカーを噛ませて売上を還流させてみたりとか。ホント、ここには書き切れないくらいいろんな手段があるんです。

そういう手段をたくさん思いつくようになると、こうすれば予防できるということまで、気が回るようになってきます。

従業員が不正を働く可能性というのは、中小企業においては常に経営陣が心配しているところです。そこで、こういうことをたくさん思いついて提案できるようになると、高い評価を得やすくなります。

特に経理はお金を取り扱う部署ですので、「私以外はできないんですが、万一私が悪いことをしようとすればできてしまうという状態は避けた方が良いと思いますのでこのようにフローを変える方が良いです」というようなスタンスで臨むと、信頼を得ることができるはずです。

非常に使いやすい転職理由になる。

「チャレンジを要求されました」って、転職理由として使えるんですよ。

もちろん、普通は、高い確率で、「それはまた、どんなチャレンジだったんでしょうか」という追加の質問を受けます。

ただ、それって、ペラペラしゃべって良い内容でしょうか。従業員として、秘密保持義務があるなかで働いているわけですよね。あまり深く突っ込めないし、答えることができなくても失点することのない、万能な転職理由なんです。

「私も、現職で従業員として秘密保持義務があるなかで働いておりますので、詳細についてはご容赦いただきたいのですが、見積り方法の違いというような合理的な説明ができる性質のものではなく、満足する説明を人にできないと思ったので、もう続けられないと思いました。」

ウチに入社してもそんなことがあるかと思いますよ?と言われる可能性はありますが、「大抵のことは、見積り方法の差などで、ある程度な納得感のある説明ができると考えています。それすらできないようなひどい内容であれば、明らかに不正ですので、もしそういうことを強要されるのであれば転職を考えるかもしれませんね」とでも言っておけば大丈夫です。

ただし、ある程度具体性を持ったチャレンジの例を示しておくこと。

そうは言っても、そうは言っても、ある程度具体性を持った内容を示しておく方が信頼されます。例えば、「ちょっとでも赤字か黒字かで銀行からの評価は違うじゃないですか。その期は、どうしても黒字にしないといけない期だったので、貸倒の事実認定の時期を少し遅らせてみたりとか、そういうこともあり得ますよね」という程度の小話を織り込んでおくと良いです。

粉飾決算のことばかりひたすら書いてある本も世の中にはたくさん出ています。この辺りを読んでおくと、面接で非常に説得力が増します。いずれも、外部の人が書いたもののため、少し抽象的になっているため、具体的な会計処理としてはこういうことをしたんだなということをイメージしながら読むと良いでしょう。

投稿者:

白賀

30代。 経理職で転職を繰り返し、現在某社でファイナンスを担当しながら、非上場のスタートアップ会社でCFOを勤めています。

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