未経験者が経理職に転職するための3つの戦略

前回の記事(未経験者が経理職に転職するためのキャリアプラン)で、簿記2級は、未経験者が経理業界に採用してもらうための礼儀みたいなもの、というお話をしました。そして、未経験で経理職に採用されるためには、残念ながら簿記2級だけでは足りず、プラスアルファが必要だというお話もしました。

簿記2級に追加するべきプラスアルファは3種類

プラスアルファには以下のようなものがあります。
これを抑えておけば、もう、面接は通ったも同然です。

  1. 前職の経験の中で、経理の素養が垣間見えるエピソードを作る
  2. 簿記1級まで取る
  3. 実際に会社の経理っぽい仕事をする

 前職の経験のなかで、経理の素養が垣間見えるエピソードを作る

これについては、ちょっと長くなりますので、別の記事に書きます。
簿記を取っていないにも関わらずこういう話をしちゃうと、夢見るおバカちゃんなんじゃないか、とか、偉そうなことを言うわりに基礎知識がないのではないか、とか、そういう不安が面接官に芽生えてしまいますので、ちゃんと取っておきましょう。

 簿記1級まで取る

もう、なんかすごいヤジが飛んできそうな身も蓋もない話ですが、簿記1級まで持っている人って、ホント少ないんです。実際に採用する側になるとわかりますが、従業員300人くらいまでの子会社や孫会社に応募してくる簿記1級ホルダーは100人に1人くらいのイメージで、とりあえず一度会ってみようかという気になります。会計士とか税理士まで取っちゃうと、プライドの高い頭でっかちのリスクがあるんです。それがないギリギリのレベルが簿記1級です。だからウケが良いんです。

未経験ですので面接ではこう言っておけば良いでしょう。あくまでも謙虚に。
「正直、簿記1級を持っているところで、仕事はわからないことだらけだと思います。ただ、転職を考えたときにコンサルタントの方とお話しをさせていただいたときに、簿記2級は実務経験があれば比較的誰でも取れるとお伺いしておりましたので、実務経験がない自分を採用していただくためには、できるだけご迷惑をお掛けしないよう1級まで取っておいた方が良いと考えました」

なんで経理職が向いているかと思ったのか、については、結局上の1みたいな話をすることになります。

実際に会社の経理っぽい仕事をする

経理業界ナビは、未経験で経理への転職を希望する人のお手伝いをすることが目的です。確実に経理業界にブチ込むためなら手段を選びません。これから少しムチャクチャなことを書きます。

資格試験予備校に7万円も払うなら、会社を設立しよう

唐突な話で恐縮ですが、異業種から経理に未経験で転職するために、いくらまでなら払えますか?

資格予備校で簿記3級と簿記2級のセットのパックを申し込むと、高いところだと7万円くらい取られます。7万円かけて簿記2級をとっても、入口に立てるか立てないかくらいのレベルです。そのお金があれば、あと2万円くらい追加して、親に会社でも立ち上げてもらい、その会社の経理のお手伝いをしましょう。

会社を立ち上げるだけで、経理っぽい実務経験を積める

会社を立ち上げると、税務署に開業届を出します、開業時の財務諸表も一緒に提出することになります、また、青色申告の申請書も提出します。これだけでちょっとした実務経験です。代表取締役が変わったり、新たに支店を開設したときなどに税務署に提出する異動届というのがありますが、これは、開業届あるからこそのもので、記載する内容も似通っています。また、銀行口座を開設することになれば、それだけでもう立派な実務経験です。

会社の事業は、Webマーケティング業にでもしておく

アフィリエイトで、自分で買っても良いヤツとかあるじゃないですか。そういうサイトを会社で作ってちょっぴりお買い物でもしてみましょう。発生した経費はfreeeとか、そういう無料の会計ソフトに入れて帳簿をつけてみましょう。これであなたも立派な経理屋です。ただ、freeeを使う場合、無料プランだとデータ保管期間が1ヵ月しかないんで気を付けてくださいね。使い方はまた別の記事に書きますが、個人事業主としても使えるので、わざわざ会社作らなくても使えちゃうんですけどね。笑

 ダラダラ続けると、均等割が年7万円生じるで、満足したら、解散。

会社を解散させるときは、登記に4万円ほどかかります。ただ、残しておいても、毎年住民税の均等割が7万円かかります。他に残しておいてもやることがないのであれば、毎年7万円の支出を続けるのは無駄なので、解散させてしまいましょう。

合計20万円で、1年間は楽しめる。面接のネタ仕込みも完璧

1年間続ければ、真っ赤な赤字会社が出来上がります。ちゃんとしたビジネスをしているわけではないので、記入する量も圧倒的に少ないですが、税務申告書の作成まで可能です。やよいの青色申告オンラインとか、それなりにシェアのあるものを触っておけば、「使ったことがある」というだけで十分ネタになります。これらは、20万円の勉強代で、すべて自分でできることです。

もちろん、この程度の内容ですので、経理の実務経験者を名乗ることはできません。

ただ、未経験で経理への転職を希望する人で、法人税の申告書を見たことがある人は、他にいません。開業届や設立届を出したことがある人も、おそらくゼロです。

したがって、簿記2級ホルダーの経理未経験者の中では、ダントツ1位の経験量です。でも、ただの小さい会社の経理のお手伝いなので、採用されてからわからないことがあっても当然許されます。むしろ、「最近の会計ソフトって、無料のがあるんですよ」くらいの小話ができます。

さあ、これを、ネタ作りの対価として高いと取るか安いと取るかは、読者の皆様にお任せします。

経理職は、狭き門です。会社の人員構成からして、全社員の1~4%くらいしか、経理にはなれません。たった20万円払うだけで、他の応募者を出し抜けるなら、ムチャクチャ安いと考えますが、いかがでしょうか?

簿記2級は、代わりに独学で取ろう。Web系の安価な教材もあります

簿記2級を取るためのお金は無くなってしまいますので、教科書とテキストで取りましょう。最近は、イラストが多くてわかりやすいのも多く出てきています。テキストを使うなら、ネットスクール社の「サクッと受かる」シリーズがオススメです。私が学生だった頃は、ペラッペラの紙で、やたら安くて、そして、やたら難しいことで評判のテキストが本屋で幅を利かせていたんですが、最近のテキストはイラストも増えていて、隔世の感があります。

ちゃんと授業を受けながら勉強したい人は、【資格スクエア】が安くてオススメです。ここの社長、開成を出て東大に入って弁護士になって起業したという猛者です。もし会社辞めることになったら、私もここで司法試験予備試験の勉強をしようと思います。年収2000万円の元CFOが資格スクエアで司法試験を受ける話って、そこそこ話題性があると思うんですが、どうでしょ?>資格スクエアさん。(まけてください!)

投稿者:

白賀

30代。 経理職で転職を繰り返し、現在某社でファイナンスを担当しながら、非上場のスタートアップ会社でCFOを勤めています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です