転職先の経理がどの階層にあるかを見分けるには?(事前情報編)

転職を検討する際に、これから受けようとする会社がどの階層に属するかの確認方法第1回。今回はエージェント等を通じて仕入れる情報で判断する方法についてお伝えします。

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仕事内容と社員数で第4階層かどうかを判断する

社員が50人以下であれば、9割方、第4階層(総務課員)です。

第4階層かどうかは、「例えば社会保険関係や人事総務的な部分も経理で担当していますか?」という質問をエージェント等にしてみればわかると思います。社保なしみたいな会社は、100%、第4階層です。

エージェント等を使用し、経理の募集背景や過去の履歴を確認

第4階層でないと思しき場合は、エージェント等を使って、以下の3点を確認します。

  • 今回の中途採用の募集の背景と、特定分野の実務経験が条件にないか
  • 経理職の過去の募集状況と、過去の採用状況(どんな属性の人が決まってるか?)
  • 経理の仕事をしている人の人数

「もうすぐ定年なので、後任を募集します」は第3階層

この採用背景は、第4階層(総務課員)でも第3階層(経理職人)でも出てきます。人事的ないことをやるかどうかが第3階層と第4階層の境界線です。

余談ですが、この手の求人で「派遣さん2名と女性社員1名の4名です」とか「派遣さん1名と一緒に切り盛りしています」みたいな求人は、本当に全ての仕事を経験できるので、オイシイ求人です。潰しが効きます。ただし、後任を募集しますと言っておきながら他にも社内に正社員の経理担当が複数名いる場合、一番下に入ると仕事にかなり偏りが出る可能性があるので要注意です。

常時採用中の経理職は、特別な理由がない限り、第3階層

経理職が10人以上いて、常時中途採用の募集を掛けているような会社は、ほぼ第3階層(経理職人)です。この手の会社は、「業務拡大に伴い」という単語が大好きです。会社の事業拡大に対してシステムや仕組みがついて行っていないので、馬車馬のように働けると思います。

経理職に占める新卒と中途の比率を聞くフリをしながら「新卒で経理に配属される方もいるかと思いますが、やっぱり簿記の有資格者なんでしょうか?」とでも聞いてみてください。商学部卒で簿記1級を持っているような人を新卒で採用したことがあれば、第3階層で確定です。理由はまた別のエントリーで記載します。

特定分野の経験者で、前職が経理以外でもOKであれば上位階層

ただし、第1階層(CFO候補)や第2階層(システムオペレーター)で、特定の分野を強化するためにピンポイントで一本釣りを狙うため常時募集を掛けるケースがあります。

第3階層との見分け方は、経理実務経験をどの程度重視しているかです。特定の分野に詳しい人であれば前職が経理職でなくても良いのか、それとも、経理職のなかで特定の分野に詳しい人を採用したいのか、がポイントです。

第1階層は、経理屋でなくても採用することがありますので、「経理出身ではない人が採用されたこともあるんですか?」という質問をしてみると良いと思います。銀行員や証券会社、会計系のコンサルタントなどを採用しているのであれば、第1階層の期待大です。

実務経験が豊富で、かつ、特定分野に詳しい経理屋を採用したい場合、第3階層の可能性が高いです。キャッシュフロー計算書の作成が俗人化してしまっていて、その人が辞めてしまうので誰か採用したい。こんな例が、第3階層ではあり得ます。第2階層や第1階層では、システムからポンッと出てくるので、そういう採用はありません。処理と概要だけ後任に伝えておけば作れるので、あとはゆっくり11月とかの比較的時間がある時期にロジックを把握しておけば良いだけです。

 

 

頻繁に事業会社未経験の会計士を採用する会社は、第3階層

採用する側としては、会計士って、わからないこともある程度自分で調べて考えてくれるので、便利なんです。しかもそれが経理実務未経験者となれば、初めての実務経験ということである程度前向きに仕事をしてくれる可能性があるので、実に便利なんです。仮に3年くらいで辞めてしまったとしても、事業会社の経理実務経験を積めたということで会計士側もキャリアにプラスになるので、win-winです。

という背景を悪用して、事業会社未経験の会計士を採用して雑多な仕事をさせて3年程度で使い倒すというブラックな会社も世の中には存在します。特に、ネームバリューがある会社は、いくらでも入ってきたがる人材がいるのでこのスキームを維持できてしまいます。

有名だからと言って安心してはいけません。普通の経理屋が間違って近づくと、転職回数を無駄に1回増やすことにつながりますのでご注意を。マネジメント職が確約されているら別ですが。

ちなみに、第2階層や第1階層は、システムがしっかりしているので、そういう使い方で会計士を採用することはありません。コストが高くつくので。結果、会計士を採用することがあっても、あまり辞めません。ポイントは、頻繁に会計士を取っていることです。

投稿者:

白賀

30代。 経理職で転職を繰り返し、現在某社でファイナンスを担当しながら、非上場のスタートアップ会社でCFOを勤めています。

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